江戸のビックリマンシール

松永です、


余白を1色で塗りつぶすことを
「地潰し(じつぶし)」といいます。


例として歌麿の美人画をみましょう。


『當時全盛美人揃・兵庫屋内花妻(とうじぜんせいびじんぞろい・ひょうごやうちはなつま)』


余白が黄色なので「黄潰し(きつぶし)」
とよびます。

では別の美人画をみてください。

歌麿の『汗を拭く女』です。

やはり地潰しがほどこされていますが
ちょっと違うと思いませんか?

キラキラと光っていますよね。

他の絵ではどうでしょうか。

これは「地潰し」の1種で、

写楽の『大谷徳次の奴袖助』では…



これも光っていますね。

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「雲母摺(きらずり)」

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といいます。

雲母は鉱物の1つで、光のあたり
かげんでキラキラ光ることから
「きらら」「きら」ともいいます。

だから「きらずり」なんですね。

「雲母摺」を拡大してみましょう。

『汗を拭く女』の部分です。


光っている小さなつぶが
たくさんありますね。


このつぶが雲母の粉です。

ビックリマンシールを
思い出しました。


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雲母の粉を「地潰し」した上から
かさねているのです。

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どのようにして摺ったのでしょう?


版は2枚用意します。


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工程1:地潰しで色をつける

工程2:にかわ液に雲母をまぜて摺る

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3工程の方法もあります。


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工程1:地潰しで色をつける

工程2:ニカワ液を摺る

工程3:雲母の粉をふりかける

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雲母は高価で作業量もふえるので
とうぜん値段は高くなります。


コストを下げるため雲母のかわりに
ハマグリも使っていたそうです。


雲母は透明なので地の色が
透けてみえます。


光沢のある透明スクリーン
を重ねているようなものです。


地潰しをせずに雲母だけを
引いたものを「白雲母(しろきら)」
といいます。


地色が黒の「黒雲母(くろきら)」
地色が紅の「紅雲母(べにきら)」


などもあります。


現代ではどのように使われて
いるのでしょうか。


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熱につよく電気をとおしにくい
ので家電製品の絶縁体として
おおくつかわれています。

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もちろん美術の作品にも
つかわれます。

雲母はみじかにあります。

墓石や床や壁の装飾に使われる
花崗岩には雲母のつぶを見る
ことができます。

見つけたら「雲母摺」のことを
思い出してください。

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松永亮
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