松永です、
あなたは何でも描く
自信はあるでしょうか?
失礼ですが「ない」のでは
ないでしょうか。
ちなみに私には描けないものが
いくつもあると自信をもって
言えます。(キッパリ!笑)
誰にでも苦手があります。
・苦手な食べ物
・苦手な教科
・苦手な上司
・苦手な…
そして絵でいえば
「苦手なモチーフ」
となります。
※モチーフ=描く対象
ある超有名な漫画家にも
苦手なことがありました。
その方は手塚治虫さんです。
「漫画の神様」と呼ばれた
伝説の巨人です。
・鉄腕アトム
・ブラックジャック
・火の鳥
など古典ともいえる作品を
数多く生み出しました。
日本で初めてTVアニメシリーズを
制作した人でもあります。
「鉄腕アトム」ですね。
ちょっとだけ人気がある作家とは
レベルが違いすぎます。
漫画家はもちろん、彼のテクニックと
ヒューマニズムに影響を受ける人は
今もなお後をたちません。
美術館にはたくさんの本が収蔵され
多くの子どもたちが読んでいます。
その手塚氏が苦手なことは何か。
それは写実です。
リアルに描くことができないことに
コンプレックスを持っていたのです。
そのことを誰も知りませんでした。
彼のキャラクターは
まるっとしてカワイイです。
日本が世界に誇るカワイイ文化
の源流を作った人です。
ディズニーアニメのような
アメリカのテイストもあります。
色々ひっくるめて神レベルで
上手いのです。
でも目に見える景色やモノを
そっくりに描くことは苦手だった。
そう言われてみれば写実的な絵は
見たことがありませんでした。
でも、それは漫画だからです。
だれもリアルに描いてほしい
とは思っていませんし、むしろ
描いてほしくないんです。
手塚氏は対談の中でこのような
ことを語っています。
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私はリアルに描くことから逃げていました。
ずっと上手くなりたいと思っていました。
だから今チャレンジしています。
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その当時の作品でリアルに描いてある
のをよく見ていたので納得でした。
しかし、そのリアルはお世辞にも
上手いと言えるものではなかったです。
正直なところ、
「手塚さん何やってんだろ」
と思って見ていました。
「手塚はダメになった」
雑誌でこんなレビューを
目にしたこともあります。
しかし彼は自分の欲求に従って
より高みを目指そうとしたのです。
それが滑稽に見えると分かっていても。
頂点を極めた人が駆け出しのやることに
悪戦苦闘している姿を見て身震いしました。
たどたどしいその歩みは眩いばかりの
崇高な光を放っていたのです。
つくづく表現というものは
最終的に自分に向かうものだ
と感じました。
上手く描けないから、苦手だから
そう思ったときは
「火の鳥」と「ブラックジャック」
を読まれてはいかがでしょうか。
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お問い合わせください。
松永が必ず返信します。
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