浮世絵

人類を滅ぼしかけたウイルス

松永です。  北斎、晩年87歳の肉筆画 「赤鍾馗(あかしょうき)」 中国風の衣服を来た大男がものすごい形相でこちらを睨んでいます。  男の名は鍾馗という厄除けの神です。  唐の玄宗皇帝が天然痘でうなされ夢で暴れる鬼をとつぜん現れた大男が退...
浮世絵

掛け合いの妙

松永です。   「富嶽百景」は「富嶽三十六景」の完結を待たずして発刊されます。  その「富嶽百景」には、主題である富士山の所在を分かりにくくする「富士隠し」の図があります。 =========================『阿須見村の不...
印象派

夢を託された花

松永です。 『ラ・ムスメ』は1888年にゴッホが描いた肖像画です。  モデルはアルルの少女ですが日本の少女をイメージして描いており手紙の中で「ムスメ」と呼んだことから『ラ・ムスメ』と題されています。仏和大辞典には「mousmé / mo...
浮世絵

7つのおつまみ

松永です。晩酌のお供に「富嶽百景」をめくっています。富嶽百景『七橋一覧の不二』大きな反り橋が画面を横切り左右にはみ出る奇抜な構図です。その下には小さく富士が鎮座する。この図の元になっていると思われるのは次の2つです。1806年 『たかはし...
浮世絵

浮世絵のナニコレ

松永です。絵を見ていると「なんだろう?これ」と思うことがあります。例えば浮世絵に描かれた馬が履いているワラジです。馬がワラジを履くなんて聞いたことがありません。じつはこれ「馬沓(うまぐつ)」という蹄を守っていた履物です。このように、常識だ...
浮世絵

10,000枚の浮世絵

松永です。浮世絵は絵師・彫師・摺師の分業でつくられました。じっさいはもっと複雑ですがあまり知られていません。これ知ることで絵を観る楽しみが何倍にもなります。今回はその話をしようと思います。まず、浮世絵の出版は===============...
建築

法隆寺では柱を見よ!

松永です。世界最古の木造建築といえば法隆寺です。奈良県の斑鳩町にあります。=========================創健者は聖徳太子こと厩戸皇子です。=========================政治の中心地飛鳥を離れてこの地...
大和絵

西洋の屏風絵

松永です。メキシコのソウマヤ美術館が所蔵する不思議な屏風があります。和名は『大洪水図屏風』です。 台風による大洪水でしょうか。見てみると西洋風でもあり日本風でもあり不思議な感じです。しつらえは6曲の屏風で枠で縁取りされています。日本...
浮世絵

富士山のように見えなくもない?

松永です。19世紀中頃からヨーロッパではジャポニズムとよばれる日本趣味が流行しました。その洗礼を受けた画家の中にアンリ・リビエールがいます。彼は浮世絵の多色木版画を研究し独学で身につけます。そして多色リトグラフも開発し版画表現の幅をひろげ...
浮世絵

【赤富士の4と7】

松永です。浮世絵をリリースする業務のスリム化についてお話します。浮世絵は現代の出版社にあたる「版元」が作らせて売りました。=========================絵師にとって版元はプロデューサーになります。===========...